結婚相談所で第二の人生を

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結婚相談所で第二の人生を

今度はお母さんが幸せになる番だよ。
そういって後押ししてくれたのは長女でした。
先日、娘から紹介したい男性がいると言われ、レストランで待ち合わせしました。

その男性は娘よりも8歳年上で、娘と1年ほど交際しており、結婚したいと考えているそうです。
食事をしながらいろいろな話をしましたが、思いやりがあり、思慮深く、とても好印象を持ちました。
年齢が離れているのは少し心配ですが、娘がこの人についていくと決めたのですから、私が口出しすることはないでしょう。
振り返れば、駆け足の人生でした。
20歳で今でいうできちゃった結婚をし、すぐに娘が生まれました。
しかし夫は家庭を顧みず、仕事のストレスを私にぶつけてくるような人でした。
まだ若いからやり直しがきくと思い、幼い子供を連れて離婚しました。
養育費などは一切なく、当時は専業主婦をしていましたので、今後の生活をどうしようか途方に暮れたものです。

この子を一人前に育てあげなければという強い意志のもと、必死で仕事と済む場所を探し、それ以降女手ひとつで娘を育ててきました。
毎日仕事に追われ、娘とすごす時間がなかなか取れず寂しい思いをたくさんさせてしまったと思います。
それでも気丈にふるまう娘の姿は、とても切なく、胸が締め付けられる思いでした。
娘が大学に行きたいといったときは驚くと同時に、金銭面で不安もありましたが、奨学金を受けながら無事に卒業してくれました。
無事に就職も決まり、給料日には毎回私の好物のお寿司をごちそうしてくれました。
自分でいうのもなんですが、本当に自慢の娘です。

レストランでの食事を済ませた後、娘と自宅へ向う途中、不意に娘が話かけてきました。
いままでお世話になりました。
今度はお母さんが幸せになる番だよ。
と。
始めは何のことかわかりませんでしたが、娘は私に再婚を勧めているようでした。
もうこんな年ですし、今更何をと思いましたが、娘は真剣に結婚相談所のパンフレットを手渡してきました。



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